(前日からの続き)例えば長時間一人で腹ばいになって作業しなければならなくなっとしますが、これが東京人だと当人の口から出る言葉って「かったるいなー」くらいですが、


関西人だと「わしゃワニか!」みたいなボケかましますよね。まあそういった笑える独り言を言うことでマイナス感情を払拭するんでしょうが、


ワタクシが関西人ってユニークだなと思うのは、誰かが自分の腹ばいの様を見たら「ワニがいるで!」って笑うだろうな・・って第三者視点でみる癖のことでして、


これワタクシが長らく住んだ香港の人たちも同じ癖を持ってまして、これ偉い学者さんの分析だと多様な人種の棲み分けのエッセンスから来るものなんだそうです。

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ご存知の通り狭苦しい香港ではイギリス人や大富豪家の隣に子沢山の貧乏人から占い師や大道芸人に泥棒なんて怪しいのまでもが住んでるのが普通でして、


毎日お隣さんと顔を合わせれば嫌でも自分の立ち位置を知りますから、その時に生じた劣等感を払拭するため自分から先に自分自身を笑うんだそうですね。


で、話を山上たつひこに戻しますけど、彼が育った大阪も天下人から商人、坊主に芝居小屋の役者など雑多な人種が棲み分けてきたマルチカルチャーゾーンでして、


一方移り住んだ東京都〇〇区は長年百姓だけが住んでいて、ここ10年ほどは他所からサラリーマンが移り住んできたモノカルチャーですから、

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おそらく山上たつひこも周囲から相当浮いているであろう自分を第三者の目でみて、自分はここでは珍獣みたいなものだ・・と思ったに違いなく、


だったらそれを投影させたキャラを主人公にしたギャグ漫画を描いてやろうじゃないか!という発想から生まれたのが「がきデカ」だったのではないでしょうか?


そう考えるあの「これでもか!」ってくらいのナンセンスギャグ、それとボケとツッコミは当時の東京人の脳内にあった大阪人そのものなんですが、


「がきデカ」は面白みのない無骨な東京人に大阪コテコテカルチャーを受け入れる素地を作った先駆者だった様にも思えます。

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さて作者の山上たつひこは結局最後の最後まで東京とは気が合わなかったらしく、ずいぶん前に北陸の金沢市に引っ越してしまったそうですが、


確かにがきデカ終了の10年後には東京のどの家庭でもダウンタウンのギャグに笑い転げるようになったのですから、彼は立派に役目を果たしたと言えるでしょう。


しかしその大阪の笑いを最初に受け入れたには小学校時代に誰かが買って来た少年チャンピオンを回し読みし、死刑!ってポーズを決めていたワタクシらです。


連載当時は正直好きになれなかったけど、無骨なワタクシの笑いの幅を広げてくれた山上たつひこ氏の「がきデカ」・・今ごろになって読みたくなりました。

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